<2018.11.16追記:製品のお届けについて>
- 現在ご支援いただきました製品の制作工程を進めており、
12月初旬に発送させて頂く準備が整いました。
ご購入頂いた皆様にはお待たせしており大変申し訳ございませんが、
今しばらくのお時間を頂戴したく存じます。
つくりたかったのは、ヘッドホンではない。
- こういうものが欲しい、という世のニーズがあったわけではありません。この製品を生み出したのは、プライドと好奇心です。技術者が、己の理想とする音の表現にいかにたどり着くか。
開発の合言葉はただ一つ、「生きた音」。
目を閉じて、その音を聞いた時、それが奏でられているまさにその場に居合わせるかのような臨場感を生み出したい。その実現の過程で行き着いた、ひとつの形態がヘッドホンでした。耳を覆い、聴く人を純粋に音と向き合わせる。だからこそ実現できる体験がある。しかしそれは、常識の枠を超えた、ヘッドホンの表現の限界に挑む試みでした。
日本人の、五感に響く音を奏でたい。
- 「生きた音」の再現が、なぜ必要なのか。それは、日本のオーディオメーカーとして、日本人の感性に特別響く音響機器を作りたいと思ったからです。日本人は特別な耳を持っていると言われます。
欧米人にとってはノイズとなる、雨の音、風の音、虫の声。その音に日本人は季節の情景を想像する。歌声を聞けば、その歌い手の表情を、込めた感情を想像する。音が鼓膜を震わせた瞬間、脳裡に映像イメージが浮かび上がる。その豊かな感性を十分に楽しませる音とは、より鮮やかに映像を想起させる生々しい現場の音なのです。
音に宿る命を蘇らせる、「原音再生」。
- 生々しい、ありのまま音を再現するためには、越えなければならないハードルがありました。「空間」の表現です。オーケストラで例えるならば、どの場所でどの楽器が演奏されているのか。奏でられているひとつひとつの音の距離感を明瞭に再現すること。それが叶えば、現場に身を置いているかのような臨場感が生まれます。そのためには濁りのない音が必要でした。
どの音が強調されるわけでもない、自然な音。
そして、耳をすませても聞き取れない、しかし確かに音を構成している倍音までも奏でること。
耳と音源が近いため、構造や素材の、ほんのわずかな変化でも音の濁りが生まれてしまう。そこから雑音だけをどう取り除くか。何よりも、耳元で音を鳴らすヘッドホンでどう「空間」を再現するのか。構造も素材も、すべてが手探りでした。
日本の桐で、音が澄む。音が広がる。
- 様々な素材を試し、構造を検証。突き詰めていくほどに、従来の発想が通用しないことがわかってきました。新しい考え方を取り入れなければ。試行錯誤をする中で発見したのは、日本の伝統でした。
日本古来の和楽器。その素材が、構造が、技法が、音を澄みわたらせるのです。中でも、箏や琵琶に用いられる桐に注目しました。桐は多孔質で音の濁りが少なく、倍音までもきれいに響かせる素材。優れた特性ですが、逆に、響きすぎるという難点にもなります。その桐を、ヘッドホンに用いる。非常識とも言える発想が実現への道でした。
- 桐の中にも、ヘッドホンに最適な、最高の素材を求めました。高級和楽器に使用される、福島県会津地方産の桐。外国産と比べ、会津の厳しい冬を越える桐は、年輪が詰まって、粘り強く、美しく育ちます。
「斎藤桐材店」という老舗桐材店を訪ねました。木材を仕入れ、販売するだけでなく、自ら苗木の段階から育て上げる。そして、伐採した良質の桐を、じっくり乾燥させ、自然の力であく抜きを行い、さらに熟成させ、数年の時間をかけて、美しく歪まない逸品へと仕上げる。しかし、老舗が、大切な桐を、ヘッドホンに使用したいという依頼に応えてくれるだろうか。
不安を抱いて訪ねた時、返事は「おもしろそうですね。是非やりたい」。桐材店にとっても、桐の可能性を引き出す、心躍る挑戦でした。
伝統技法で、音を整える。
- 桐材を使って製作したのは、ハウジングと呼ばれる筐体部分。そのドーム形状の中で、音を響かせるものです。どれだけ木をなめらかに彫り上げても、ハウジング内の音の反射は不均一になります。その乱れた反射をコントロールするため、和楽器の技法を取り入れました。「彫り」と呼ばれる、和楽器の内側に様々な模様を彫り込み、響きをコントロールする技法です。
どの彫りが桐のハウジングにふさわしいか。その検証は、Onkyoの技術者たちが、自ら桐に彫りを入れることで行いました。もちろん、彫りの経験などありません。何度も失敗を重ねながら、ついに「綾杉彫り」と呼ばれる、和楽器の筝に用いられている技法にたどり着きました。これによって音の響きが均一になり、濁りが消えました。
しかし、すぐに次の課題が立ちはだかりました。桐は柔らかい木です。その木に彫りを施せる加工業者がいませんでした。できるわけがない、と門前払いをくらったこともあります。とある楽器メーカーだけが、できると言ってくれました。その出会いがなければ、このプロジェクトは頓挫していたことでしょう。
自然素材による、ありのままの音。
- ハウジングと振動板。それは、ヘッドホンを構成する核となる要素です。1つ目の核であるハウジングは理想に行き着いた。では、2つ目の核であるヘッドホンの心臓部、振動板はどうか。それも、Onkyoの技術者が自らつくり上げました。
振動板の理想の素材は、軽く、固く、そして素材の性質による不要な響きがないこと。素材は、鋼鉄の1/5の軽さで、5倍の強度を持つ「セルロースナノファイバー」100%。自然素材である「セルロースナノファイバー」のみでヘッドホンの振動板をつくるのは、世界初の試みです。剛性が高く軽量のため、高音が伸びやすく、また雑音が生じにくいという理想に近い特性を持っています。
- この振動板は、非常に細かな繊維を漉いて固める、和紙と同じ工程でつくられます。工場で大量生産することはできません。結果、ひとつひとつがほぼ手作りとなります。それでも、澄みきった音を響かせ、音の広がり、音の空間をつくりあげるには、手間を惜しむことはできませんでした。
自由にする。抑制する。
- ハウジングと振動板が生み出す、のびのびとした澄んだ音を阻害しないよう、不要な振動を抑制するための構造を。
ドライバーの振動による不要な共振を最小限にするため、ベース部分に強固に固定するフルバスケット方式を採用。ベース部分は剛性の高いマグネシウム合金です。ベースから桐への音響をなめらかにつなぐため、その間に硬度の高い木材・アッシュを挿入。桐とアッシュの接合面には組木構造を用いています。
さらに、ベース、ハウジング、ハンガーの連結部にゴムの素材を挟むフローティング構造や、ドライバーとジャックの距離の最短化、高品位のジャックなど、音質を高める工夫を積み重ねました。
つけていることを、忘れさせたい。
- 音と真摯に向かい合うために、心地よく、安定した装着感が必要だとも考えました。
ヘッドバンドとイヤーパッドには、欧州製高級車の内装にも使われる、ハイテク高級素材「アルカンターラ®※」を採用。優しくなめらかな感触は、装着のストレスを感じさせません。ハンガーの素材は、軽量で剛性が高い超ジュラルミン。加工が困難なほど固い素材ですが、その軽さと耐久性が魅力でした。
心地よい肌触りと、軽い装着感。そして、耳に聞こえる澄んだ音。そこから広がる音の空間。耳元で音が鳴っていることを忘れ、やがてヘッドホンがなじみ、ヘッドホンをつけていることすら忘れてしまう。そんな開放感と一体感に身をひたす体験こそが、技術者が理想とした、音の世界なのです。
※アルカンターラ®(Alcantara®)とは:メイド・イン・イタリアのハイテク高級素材です。アルカンターラ®は、アルカンターラ社の登録商標で、独自技術により生み出され、優れた技術性、感覚性、外観の美しさを備えた画期的な高級素材です。
山本 優一(やまもと ゆういち)
オンキヨー株式会社 技術本部 スピーカー技術部 ヘッドフォン技術グループ ヘッドフォン設計2課
「奏者がつくり出したものを、ピュアなままに伝える」
- 音質は年齢、性別、国、流行などにより好まれるものが変わります。ベース音に迫力が欲しい、ボーカルを綺麗に聴きたい……。
通常、そういったご希望に応えるためのチューニングを製品開発過程で施します。和訳すると調律ですね。しかし、疑問に思ったのです。我々が調律することは正しいことなのか。奏者が苦悩の末に生み出した楽曲を、その音を、そのままリスナーに伝えることこそ我々の役割ではないのかと。
そこで開発したのが桐ヘッドホンです。桐ありきのヘッドホンをつくりたかった訳ではありません。原音再生に必要な手段が桐だったのです。桐ヘッドホンという呼称からハウジングが注目されがちですが、「セルロースナノファイバー」100%の振動板ドライバー等を含め、開発には多くの職人が参加してくれています。彼らの協力なしには、形にはならなかったことでしょう。
太鼓芸能集団 鼓童 住吉 佑太氏
「今まで聴いた太鼓の音で、いちばん、太鼓の音がしている」
- 自分が表現したかった音が、きちんと表現されていると感じました。私が曲を作る時、あえて奥で演奏するものと、マイクの近くで演奏するものと分けています。その距離感が、普通のスピーカーでは表現しきれていないのですが、それが表現できていると思います。左右の音だけでなく、前と後ろが感じられるというか……。
太鼓をヘッドホンで聴くと、たいてい、低い音が強く響いてしまって他の音を阻害しますが、それがありません。それに、ヘッドホンでは、太鼓の音は耳の近くでどんと鳴る感じがするのですが、音の距離感がしっかり感じられて、とても自然ですね。今までヘッドホンで聴いた太鼓の音で、いちばん、きちんと太鼓の音がしていると感じました。
笛の音も、どこかの音域が強調されるのではなく、バランス良く聞こえます。生で聴いている時の音抜けがある。音の質感が再現されていると思います。 指揮者 佐渡 裕氏
「演奏の風景が、ビデオを観ているみたいに想像できる」
- 音がとてもクリアですね。透明感があって、雑音がない。それに、立体的に音が聞こえて、空間を感じる。低音からから高音まですごくバランスがいい。ピアノの音も、難しい太鼓の音もきれいに再生されている。低い音にも透明感があって奥行きがあるのが、とてもおもしろいですね。
具体的に、何人の人が、どれくらいの距離で、どれくらいの広さの空間で演奏しているかが、ビデオを観ているみたいに想像がつきます。その曲、そのパートの主人公が見えてくる。音空間がとても鮮明。
いい意味でも、悪い意味でも、録音の状態が明快にわかりますね。聞こえすぎる、というか。ある音域から、高い音域の倍音が強調されて聞こえる気はしたかな。僕がハイレゾに慣れていないせいかもしれませんが(笑)。でも、明らかに通常のヘッドホンやスピーカーで聴いている時と違う音がします。おもしろいですね。桐の素材は、すごくいい響きがしていると思います。
デザインについて。
- 桐は、なめらかで美しい風合いをもった木です。その凛とした美しさをそのまま活かすため、塗装には楽器に施される技法を用いました。
通常ならば、どんなに薄い塗装であってもほのかな木の色合いを損なってしまいます。彫りの工程を請け負う楽器メーカーの力を借りて、極めて薄い塗膜を施し、その美しさを守ります。それ以外の部分は、木の色を引き立て自然を感じさせる茶色で統一しています。
- 素材、技法、デザイン。すべてにこだわり抜いたこのヘッドホンは、一台ごとにシリアルナンバーを刻みます。その人だけの一台として、いつまでも愛着を持って聴き続けてほしい。そんな願いを込めています。
秋葉原「ONKYO BASE」にて、桐ヘッドホンが体感できます。
- 東京・秋葉原の商業施設「マーチエキュート神田万世橋」内にオープンしたOnkyoのショールーム「ONKYO BASE」。秘密基地をテーマにした施設内で、桐ヘッドホンによる特別な体験をご提供します。耳元から大きく広がる音の空間を、是非体感してください。
ONKYO BASEへのアクセス
- ONKYO BASE
住所:〒101-0041 東京都千代田区神田須田町1丁目25番地4
「マーチエキュート神田万世橋」内
TEL:080-8310-6278
営業時間:11:00~20:00(不定休)
「秋葉原」駅
JR線 電気街口 徒歩4分
つくばエクスプレス A1出口 徒歩5分
東京メトロ日比谷線 3番出口 徒歩6分 [追加情報]
7/31(火)ONKYO BASEにてメディア向け発表会を開催しました!
- 多数の音楽関連メディアの方にご来場いただき、桐ヘッドホンをご体験いただきました。
発表会に参加された方からのコメント
- 音楽関連メディアの方々の耳にも、他のヘッドホンとは違う、特別なものとして聞こえたようです。
みなさまもぜひ、ONKYO BASEにて実際にご体感ください。
取材いただいた内容は多数メディアに取り上げていただいております。
「桐ヘッドホン」で検索していただければ、たくさんの記事を見ることができます。
桐ヘッドホン + オリジナルヘッドホンスタンドセット(先着特典)。
- 数量限定の先着特典として、桐ヘッドホン本体に加え、特製のオリジナルヘッドホンスタンドをセットでご提供いたします。※オリジナルヘッドホンスタンドは現在制作中です。
桐にこだわった本製品にふさわしい、桐の箱に封入してお届けいたします。
また、さらに音を澄ませるため、ツイストケーブルを採用しています。二本のコードが螺旋に絡まることで、互いが生み出す電流による磁界を相殺し、電気エネルギーのロスを低減。音質をクリアに保ちます。着脱式で、通常の端子だけでなく、最新のポータブル再生機などで採用が進んでいるバランス端子への接続コードも付属しています。
- 商品提供時期:2018年11月1日以降
商品保証期間:1年間
音の向こうに風景を。奏でる人の感情を。
- 純粋な音を追求する。生々しい音を、再現する。原音再生へのこだわりは、感動へのこだわりだと考えています。オーディオ機器が、ライブにいかに迫れるか。自然の音色から、生命の息吹を消してはいけない。歌声や演奏から、そこに込められたアーティストの感情を減衰させてはいけない。リアルで、肌を震わせ、粟立たせるような、生々しい音の空間の再現を。
このヘッドホンは、オーディオメーカーであるOnkyoが、理想をひたすら追求した先に生まれたものです。労力を惜しまず、奏でる人、聴く人、そして両者をつなぐ音と真摯に向き合い、技術を磨き続ける。その意志を結実させた、桐のヘッドホン。 原音再生を越え、原音空間の再現にまでたどり着いたはずです。
音の向こうに映像を想像させる、日本人のための、ヘッドホン。日本の木と、伝統の技術を用い、日本で生産しています。すべての工程を、高い精度で、自社グループ会社で、妥協なく仕上げていく。より良い音を、最良のものを、常にお届けするために。
音の世界には、まだ先があります。新たな発想、新たな技術を、これからも。Onkyoの挑戦に、あなたのご支援をお願いします。
本プロジェクトに関するお問い合わせ
- オンキヨーオーディオコールセンター
TEL:050-3161-9555
お問い合わせメールフォームは、下記をクリックしてください。