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【使い心地を追求して、本当に使いやすい財布を作る】
- LAGASHAなどのバッグ・グッズデザインを長年手掛けてきたtenseデザイナー奥野と、鞄作り一筋、数々なブランドの鞄を製作してきた三代目惣次郎の2人が、デザイン・技術・素材に一切の妥協をせず「究極のモノ」にこだわり抜いて生み出した、ラウンドファスナーウォレットです。
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明治創業 伝説の鞄メーカー”渡惣”の三代目惣次郎が手掛ける究極のサイフ
- 革鞄と財布などの革小物は、針や糸の太さ、革の漉き方などがかなり違い、全く別の技術が求められます。
約5年前から小物作りに挑戦しようと、tense“奥野”の長年の経験から来る使い勝手を考え抜いたデザインを基に、惣次郎の熟練の技術と新たに開発した手法を駆使し、サンプルとフィールドテストを繰り返しながら取り組んできました。そして、ベーシックなラウンドファスナーウォレットをより使いやすく丁寧なモノづくりで再構築しようとスタートしました。
今まで以上に家族や友人たち、クライアント様などに実際に使い込んでもらい、様々な意見を取り入れながら微調整と改良を重ねて、圧倒的なクオリティーを持つ”究極にこだわり抜いたラウンドファスナーウォレット”が完成いたしました! -
【本当に”使いやすい”を追求】
- 最近はキャッシュレス化が進んでミニマムなおサイフが人気ですが、人それぞれ使い勝手は違うので普通サイズのおサイフを使っている方は大勢いらっしゃいます。
その中でも広く人気のあるラウンドファスナーウォレットですが、真ん中のファスナー仕切りを小銭入れにしている場合が多く、また溜まったカード類を山盛りに入れてパンパンに膨らんでいるケースをよく見かけます。
そうなると元からキツめの通常のカードも取り出しにくくなってしまいます。そこでこだわったのが次の3点です。この想いを皆様にもお伝えできればと思います。 -
①コインが一目瞭然。しかも掴みやすい。 → ウレタン キルティング加工
- 開口部分を大きくして小銭を見やすく、取り出しやすくしました。
1st.モデルはフラットにしていたのですが、モニターの方から「ペタッとして小銭が取りにくい」と指摘されたため、ペフ芯を入れキルティング加工しました。その芯も使っていると潰れてきてしまったので、今回から潰れにくいウレタン芯に変更しています。 -
- 小銭収納部分はキルティング加工により小銭がつかみやすくなっています。
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②増えてくるポイントカードや診察券などを機能的に収納。
- 実際カードポケットに入れて頻繁に使うカードはそんなに多くありません。またポイントカードや診察券などは、見せたくないと思っている方が多いのではないでしょうか。そこで両開きファスナーの中仕切りポケット部分に増えてくるカードを収納します。
ポケット中央に仕切りを付けてカードが片側に偏らないようにし、さらに両側から開くファスナーを採用したことによりカードを取り出しやすくしました。これもモニタリングとフィールドテストの賜物です。
もちろん用途に合わせて小銭や小物入れとしてもお使いいただいても問題ありません。 -
- ついつい増えてしまうポイントカードなどの整理・収納に大変便利です。
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③通常カードの出し入れが非常にスムーズ → 絞り加工
- 一般的なサイフのカードポケットは平らに縫製されています。これではカードを入れると、ポケットがキツくなり取り出しにくくなってしまいます。(経験ありませんか?)
そこでカードの厚み分だけ”絞り加工”を施し、カードを取り出しやすくしました。もちろん1段目と2段目では絞りの深さを変えているので楽に取り出せます。 -
- ”絞り加工”が施されたカードポケット(8枚)。カードの出し入れがスムーズです。
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【本当の物づくりを伝えたい。緻密な作業、膨大な作業工程】
- 惣次郎は三代目を名乗るにあたり、モノ作りの原点に立ち帰り、決して手を抜かない本当にお客様に納得いただける物を作ろうと取り組んでいます。先代から培ってきた伝統的な技と、惣次郎が開発してきた新しい技術を最大限に駆使しています。
現在国内で出来る職人が極端に少なくなっている小物の“コバ磨き”にあえて拘り、パーツをひとつずつ惣次郎独自の技術でコバを磨き込んでから丁寧に縫製し、さらに外側のコバを磨き上げます。そのパーツひとつひとつは贅沢にも裏側に革を貼り込んで作られており、強度増大と型くずれを防ぎます。
総パーツ数:50pcs. 総工程数:376
三代目惣次郎の技術と知識に裏付けられた、膨大で緻密な作業工程の一部をご紹介いたします。 -
◯素材の質感を大切に。
- 1.革の裏処理工程です。
昔は職人が海藻(布海苔)を鍋で煮て作りましたが、現在はCMC(いわゆるセルロース系溶剤)を使っています。この工程で革の歪みを均一にならし、接着剤が革の表面に滲むのを防ぐ非常に重要な工程です。 -
- 粗裁断、ベタ漉き後に裏処理します ↑
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- 重石を載せて最低二日間寝かせます ↑
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- 右側が裏処理工程後の状態です ↑
- 2.表側の芯材にフェルトを採用。
裏処理と相まって使い込むほど手に馴染みます。フェルトを貼り込んだ後、漉き加工をし全体厚を1.5〜6mmに調整します。 -
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3.各パーツごと(ほぼ全パーツの見える箇所)に全7工程。
両面面取り → 荒削り → ペーパー掛け → 色塗り → ミガキ → トップコート → バフがけ -
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- 仕上がり。乾燥 ↑
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◯機能的で使いやすく
- 1.カード段ポケットの絞り加工。
カードの厚さを計算し、スムーズな出し入れを可能にした緻密な設計です。 -
- 裏革を貼り込み、粗裁断で”絞り加工” ↑
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- 上:左/二段目4mm絞り 右/一段目2mm絞り 下:絞り加工後に本型裁断 ↑
1段目と2段目の両端が重なって厚くならないように計算されています。 -
- 口の革切れを極力防ぐように、糸目の数を計算してステッチが掛けられています ↑
- 2.両開きファスナー仕切りポケット。
中が仕切られて二層式 + 両開きファスナーで出し入れがスムーズ。 -
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- 3.大きな小銭スペース。
ウレタン芯と裏地をキルティング加工し、コインをつまみやすくしています。 -
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◯ より丈夫で長持ちするように。手間を掛け様々な加工が施されています。
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- 裏側になる革に薄くて強い補強芯を貼り、最後の縫製時の針穴による革切れを防ぎます。 ↑
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- Dカンが付く革パーツの裏側に、隠しカシメで補強します。 ↑
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- 全てのパーツは、縫製した後に“ゴロ”を掛けて針穴を潰し、糸を引き締めます。 ↑
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- 最終段階です。表胴の縫製。 ↑
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- 糸止め。上下の糸にノリを付けて結び、糸の切り口を内側に引き込みます。 ↑
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【製作工程】動画編
- 今回ご紹介している”ラウンドファスナーウォレット”製品時の製造工程をアップしました。惣次郎の緻密で計算された作業をぜひご覧ください。モノ作りに興味のある方にはきっと何かヒントが見つかるはずです。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLsWWgLiAHfN0vF29ow7EUKkxuGpg8RIG0 -
【最適で最良の材料を使い、最高の商品に仕上げるというこだわり。】
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使い込むほど味が深まるナチュラルレザー。自分色の革に育てる喜び。
- 表革(3色)と裏側(サクラ1色)は、世界的に有名な伊ワルピエ社の”ブッテーロ”を使用しています。古典的な植物タンニンなめし製法で作られたこの革は、自然な品のあるツヤ感と油分を含みながらも、適度な硬さを持つ独特なクオリティーが特徴です。
染色も自然な仕上げを持ち味としているので、原皮の持つ傷やシミなどが隠れにくくなっています。しかしそれらを“味”として商品に活かすことにより、革本来の素朴な表情と透明感のある美しさを感じることができます。ですので傷やシミなども”味”として捉えていただけますようお願いいたします。
自然な仕上がりの革は、使い込むほどにツヤが出て色濃く変化するエイジングを楽しむ事ができます。またブッテーロは十分に油分が含まれていますので、メンテナンスは乾拭きのみか、革専用のトリートメントを薄く塗布するだけです。 -
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- ”イタリア植物性タンニン鞣し革協会”の品質保証書付き
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なめらかなで重厚なファスナー
- YKKの高級ファスナー”EXCELLA”を使用。エレメントひとつひとつに入念な磨きをかけ、テープに組み込まれた強く美しいファスナーです。その中でもさらに重厚感と高級感を合わせ持つダブルタイプ(両引)を採用しています。
そして引手の革のタッセルは、革を2枚に貼り合わせたパーツをひとつひとつ惣次郎の手により手縫いで取り付けられています。
※「EXCELLA」はYKK株式会社の登録商標です。 -
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美しく強靭なステッチ
- 通常、革小物は20〜30番の糸を使用して丸針で縫われているため、ストレートな縫い目になっています。
しかし本商品は鞄で使われる5番という太い糸で、しかも菱針で縫われています。菱針で縫われた縫い目は斜めに入っていくため、見た目が非常に美しくなります。ヨーロッパ高級ブランドのバッグも全て菱針で縫製されています。本来鞄職人である惣次郎の真骨頂です。
また全てのパーツの縫い目の外側に“ネン線”が引かれていて更に美しい仕上げになっています。これもヨーロッパの高級ブランドで使われる仕上げの1つです。 -
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美しくなめらかなコバ仕上げ
- 全パーツの革のコバ面は、すべて角を落としてから表面をなめらかに仕上げていきます。その後コバ用塗料を塗っては乾かして2度塗りし、最後に保護用のトップコートを塗布し、完全に乾いてから表面を手作業でバフ仕上げします。
乾かしながらのこの作業だけで、パーツごとに丸1日づつ掛かります。 -
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- 丸みを帯びキレイに仕上げられたコバ面
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鮮やかな裏地
- クラシックな趣がありながら色鮮やかな水玉プリントの裏地は、tense(T-BOARD)オリジナル。遊び心をくすぐります。
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【本当のモノ作りを。2人でコツコツと作り続けます。】
- 奥野がまだ若くこの業界に入りたての頃、渡邊氏(三代目惣次郎)の真摯な姿勢から、様々なモノづくりの本質を教えていただきました。
当時から名だたるブランドバッグを手がけ、ダレスバッグ・アタッシュケースからポーチなどあらゆる革製のバッグを製造していました。しかも常にその製法を進化させていて、モノづくりに対する姿勢と探究心にいつも憧れ、いつかこの人に作っていただけるようになりたい!と強く思っていたものです。
そして月日は流れ、お互いの思いが合致し、 tense & soujiroのプログラムを立ち上げました。 -
製作:三代目惣次郎
- 1897年(明治30年)創業の伝説の鞄メーカー“渡惣”の血脈を受け継ぐ渡邊文夫が、本家の後押しもあり”三代目惣次郎”を名乗ります。
アタッシュケースやダレスバッグの伝統の技を習得しながらも、常に新しい製法にチャレンジしてきた三代目惣次郎。鞄の剛性を上げる為に、早くからスイングアームミシン、回転ポストミシンなどを導入し、今までは手縫いでしか縫えなかった部分のミシン縫製を可能にしてきました。
またいち早くコンピューター裁断機を導入、コバ磨きなども独自の手法で品質を向上させてきました。鞄職人に対する誇りを持ち、手元の作業の色を判別しやすいと言う理由もあり、白衣を着用して仕事に取り組んでいます。
三代目惣次郎を名乗るにあたり、モノづくりの原点に立ち帰り、今まで培ってきた技術を最大限に活かして素材の質感を大切に、機能性・耐久性を重視して、より正確丁寧なモノづくりを高めたいと考えています。 -
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【オリジナルブランド”tense”について】
- “tense”=“時制”
時間を超えて愛用される“STANDARD”たるモノを創りたい。そんな思いから名付けました。
“テンス”は、渋谷を拠点に長年バッグ・雑貨のデザインを手がけてきた奥野徹也が手がけるオリジナルブランドです。今まで長年携わったバッグ・雑貨のデザイン、製作のノウハウをよりシンプルに再解釈し、五感で感じやすくて長年愛用される“STANDARD”を創り続けたいと考えています。 -
"tense"を展開するオリジナルショップ「T-BOARD」
- このラウンドファスナーウォレットの実物は、奥野がオーナーのSHOP「T-BOARD」にてご覧いただけます。
■T-BOARD■
〒150-0047 東京都渋谷区神山町43-2
TEL:03-3485-6463 MAIL:shop@t-board.net
営業日:火曜日/13:00〜18:00 金曜日/13:00〜20:00 土曜日/13:00〜18:00
*不定休 *臨時休業する場合がございますので、事前にご確認いただければ幸いです。 -
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【製品仕様】
- ■本体・内装素材:牛革(伊ワルピエ社ブッテーロ)
■本体色:ブラック、ネイビー、ライトブラウン、3色
■内装色:全色 サクラ色共通
■裏地:tense(T-BOARD)オリジナル水玉プリント(ポリエステル100%)
■ファスナー:YKK EXCELLA DOUBLE TYPE
■サイズ:横208 × 縦100 × 厚み22mm
■重量:270g
■製造:日本
*tenseオリジナルボックスに入れてお届けいたします。 -
【カラーバリエーション】
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【製品について】
- *本製品の革は自然の風合いを生かしているため、キズや色ムラ、シワなどがある場合がございます。また入荷ロットにより色・質感が違う場合がございます。
*水・汗により色落ち、色移りする場合がございます。
*使い込むほどに色、艶が変化してまいります。
*モニター環境の違いにより、商品の色が異なって見える場合がございます。
*デザイン・仕様の一部が変更になる場合がございます。
*ご支援の数量が想定を上回った場合、1人で製造している事情もあり、材料の納期や製造工程上の都合などで出荷時期が遅れる場合がございます。
*ご支援に対する返品は、初期不良品に限り対応させていただきます。 -
【最後に】
- 物があふれる中で、お客様の視点に立った本当のモノ作りを伝えたい。という強い思いを持って2人で日々取り組んでいます。
技術があり、真摯な気持ちで一切の妥協しない職人さんほど大量生産・低コストの波に飲まれているのが現状です。コストダウンはいつも末端の職人たちにシワ寄せが来てしまい、工程を省いた安直なモノ作りしかできなくなっています。このままでは日本から本物の職人がたち消えてしまうかもしれません。今後に続く若い世代に本当の技術・仕事に対する姿勢を伝えていきたい、日本の技術を世界にも発信したいと強く思っています。
そんな状況ではありますが、三代目惣次郎のラボには近くの職人や工場の人達が、若い人からベテランまで、技術的な相談によくやってきます。そうしている中で、プロの職人さんたちが三代目惣次郎に本格的に教わりたいと集まってきて現在実技講習も行っています。
我々の思いが1人でも多くの方に伝われば幸いです。